ちょっとちょっと小説・月明かり



家への帰り
畦道を歩きながら
空を見上げると

満月
それも、大きな満月
本も読めるくらいの明るい満月

影が薄くなってきたので
見上げると
月が欠けてきてる

それも徐々に徐々に

見たことのない大きな虫が
月をかじっている

「虫くん、月をかじるのをやめてくれ。
家に帰れなくなってしまう。」

ガジガジ、ガジガジ
聞こえているのか、聞こえていないのか?
どんどんどんどん
月が細くなり
自分の影も薄くなっていく

とうとう月がなくなり
真っ暗になってしまった

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